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Table 1 Principal Particulars of WISES

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Fig.1 Sketch of WISES

の増加、海面効果に付随する安定性の劣化および波や飛沫の影響を避けるためのエンジン、尾翼などの選択および配置に対する制約である。
3.航行シミュレーション
3−1通過する突風域
航行環境は巡航時において遭遇する確率の高い突風域を通過する場合とし、遭遇する突風域は日本沿海での年間を通しての平均的な海象を想定した。風向は横運動が最大となる横風状態とし、ランダムな変動風(Beaufort風力階級5:平均風速U=9m/sec)と相当する波(規則波:波長λ=100m、波高hw=1.5m)を想定した。変動風は航空機に対するアメリカ空軍規格の低高度突風モデルを基本として作成した。
3−2設計目標とWISES制御システム
WISESを航行システムとして考えると、WISES本体、制御システムおよび航行計画システム(航路、避航、速度および高度の選択など)から成立する5)。WISES本体および航行計画も重要な要素であるが、制御システムは、縦連動の安定性に欠けるにも関わらず超低空を航行するWISESにとり必要不可欠であり、その設計方針が航行に大きく影響することは当然である。
本報告では制御システムの例として、航路偏差最小を設計目標とする制御システム-1、および姿勢偏差最小を設計目標とする制御システム−2について、それぞれシミュレーションを行った。そして、それぞれの設計目標がシミュレーション結果に生かされていることを確認するとともに、安全性の視点に立った比較検討を行う。
3−3航行シミュレーション結果
航行計画は、巡航高度3mにおいて直進、水平航行中のWISESに、ランダムな変動風(Beaufort風力階級5:平均風速U=9m/sec)と相当する波(規則波:波長λ:100m、波高hw=1.5m)を100秒間の間、連続して与えることとした。変動風の時系列データをFig.2に示す。制御システム−1による航行シミュレーション結果をFig.3に、制御システム−2による航行シミュレーション結果をFig.4に示す。横軸は時間、縦軸はシミュレーションから得られたWISESの状態量(速度(v,w)、姿勢角(φ、θ、ψ)、位置(ye,ze)、加速度)およびWISESから見た出合い波の波高(Hw)を示している。
(1)y方向航路偏差(ye)
航路から風下に流されるy方向航路偏差(ye)は、制御システム-1が約100m、制御システム−2が約170mである。方向舵およびエルロンの操作によ

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Fig.2 Fluctuating Gust

 

 

 

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